【連載コラム】第1回「現地化に向けた人材育成と人事評価制度」

昨今のベトナムは、物価や人件費が上昇し、コストカットのための市場とは言えなくなってきています。

ベトナム市場で生き残るには、現地市場開拓と共に、更なる効率化が求められます。そういった観点から、

ベトナム人従業員を育成して人材を現地化したいと考える企業は多いでしょう。しかし、理想と現実にギャップがあり、

思うように進んでいないのが現状です。そこで、先ずは現地化のために必要なこと四つと、日系企業の現状を説明します。

①現地化の方針や目標を決める

先ず、幹部ポジションを含めてどのポジションをいつまでに置き換えるか、方針や目標を立てます。

しかし、実際はベトナム人のスキル不足や、日系企業の現地人に対する信頼不足などがあり、方針を立てることができず、

ずっと日本人がポストを担っている企業が多数です。先ずは方針や目標を立て、それに沿って人材を確保・育成する必要があります。

②人材の選定・確保

目標を立てたら、ポジションを担う候補者を決めます。社内で候補者を探す・採用する・外部人材を活用するの三つの方法があります。

 しかし、ベトナムでは管理職の人材が不足しており、優秀な人材の採用が難しいです。さらに、日系企業の文化に合う優秀な人材の確保も困難です。

③人材の育成

現地化には候補者だけではなく、会社全体の人材を効果的に育成することが必要です。そのために、長期的で体系的な育成計画が必要です。しかし、実際には日々の業務に追われ、OJTや専門スキル教育のみの企業が多く、管理職はマネジメントスキル等を教育されていないのが現状です。

④人事評価制度の構築・改善

現地に合った人事評価制度を運用できれば、モチベーションが向上し、人材が企業に根ずく仕組みを作れます。

また、評価結果を人材育成に結び付けることもできます。しかし、多くの企業では本社の制度をそのまま運用したり、定性・定量評価がバランス良く設定されていません。

次回以降は、③と、④についてさらに詳しく説明し、ポイントなどを紹介していきます。