【連載コラム】第5回:評価制度②~行動特性(定性項目)設計のポイント

この度、弊社AIMNEXT VIETNAMは貴社のベトナム人の人材活用に役立つ ことを期待し、

【ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用】をテーマ に記事をシリーズ化しました。

 

今回は第5回目の記事を送付させていただきます。

毎月1度、記事を送付する予定となっておりますので、

次回以降もお読みいただけますと誠に幸いでございます。

 

               記

 

5回:評価制度②~行動特性(定性項目)設計のポイント

 

前回の記事では、成果目標(定量項目)設計のポイントについて解説しましたが、

高い成果を上げるための手助けとなるのが今回の記事で解説する“行動特性(コンピテンシー)”

です。行動特性とは、高い成果を出している優秀な人材に共通している行動パターンのことです。

行動特性を設計するメリットとポイントについて見ていきましょう。

 

◆行動特性設計のメリット

  メリット①:成果に直結する

  行動特性とは、高い成果を上げるために必要な行動のことであり、成果とリンクしています。

 

  メリット②:評価がしやすく、納得感も高められる

  行動特性は、一般的な能力評価に比べ評価基準が明確なために、評価者にとっては評価が容易

  になり、被評価者にとっては評価への納得感が高まります。

 

  (例)“主体性”の評価基準

主体性

能力評価の場合

自ら進んで物事に取り組む姿勢や態度を身につけている。

行動特性評価の場合

会社の決定事項や指示・依頼に対して、拒否・否定をするのではなく、前向きに受け入れて行動している。

依頼した仕事を上司や同僚が忘れないように、あるいは忘れていたらリマインドしたり、最後までフォローしたりしている。

・・・

上記はあくまで例です。

 

  メリット③:効果的な人材育成につなげられる

  上記の例の通り、評価する際の着眼点が明確なため、“何ができて・何ができないのか”を明確

  に把握できます。そのため、どんな点を強調して教育すればよいのかがわかり、効果的な

  人材育成に結びつけられます。

 

◆行動特性設計のポイント

  ポイント①:「理想型」と「実在型」をうまく組み合わせる

  一般的に、行動特性を設計する際に、主に以下2つのパターンをベースとします。

 

   ・「理想型」:会社側が求める人物像をモデルにして設計する。

    企業文化(理念・価値観・行動規範など)と(職務記述書等に記載の)役割責任を参考にする。

   ・「実在型」:実在するハイパフォーマーをモデルにして設計する。

    優秀な人材を観察・分析し、成果につながっていそうな行動をリストアップする。

 

  上記の2つをうまく組み合わせることで、理想を追求しながらも現実離れしない、ちょうど良い

  程度の機能しやすい行動特性を設計できます。

 

         ポイント②:一期間に設定する項目は絞る

  理想は、リストアップした行動特性の全てにおいて “5”をとることですが、項目がたくさんあり

  過ぎると社員は混乱します。ですので、現状を踏まえて、優先順位の高いものを5~8つ程度、

  評価項目としてピックアップ・設定することをお勧めします。

 

  評価が一時的に“5”になったからといって、すぐに項目から外すべきではありません。理由は、

  外した途端に、その項目を軽視した行動を取るようになる危険性があるためです。行動が習慣化

  するまでは評価項目に設定しておきましょう。

 

  ポイント③:定期的な見直しを行う

  運用してみた結果、設計した行動特性が本当に成果につながっているのかを検証していく必要が

  あります。また、環境変化に応じて必要になってくる行動特性も変化していきます。ですので、

  行動特性の中身は定期的に見直して、ブラッシュアップしていきましょう。

 

                                          以上

第5回の『ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用』はいかがでした でしょうか。

ご意見・ご感想等ございましたら、弊社までお寄せいただけますと 幸いでございます。

尚、次回の配信は5月を予定しております。 末筆ながら、貴社のますますのご発展を心より

お祈り申し上げます。