【連載コラム】第6回:評価制度を知る③:運用者を教育する~適切な運用を目指して

この度、弊社AIMNEXT VIETNAMは貴社のベトナム人の人材活用に役立つ
ことを期待し、【ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用】をテーマ
に記事をシリーズ化しました。

今回は第6回目の記事を送付させていただきます。
毎月1度、記事を送付する予定となっておりますので、
次回以降もお読みいただけますと誠に幸いでございます。

                  記

第6回:評価制度を知る③:運用者を教育する~適切な運用を目指して
 
いくら“良い評価制度”があっても、それを適切に運用できなければ全く意味
がありません。そこで重要になってくるのが、運用者への教育です。

本日は、よく発生するケースを取りあげながら、運用者への教育における
ポイントや注意点についてご紹介いたします。
 
◆(定性項目の評価において)よく発生する問題と原因
 ①問題:評価にバラつきが生じる。
  原因:評価基準が曖昧(評価者ごとに評価基準の解釈が違う)。
 
 ②問題:評価が“3”に集中する。
  原因:評価基準が曖昧、部下に嫌われたくないという心理。
 
 ③問題:本人(自己)評価が高い。
  原因:評価基準が曖昧、高い給与・賞与をもらいたいという心理。
 
 ④問題:上司が部下を評価するときに、評価の根拠を出すことができない。
  原因:評価基準が曖昧なため、部下のどういう行動を見ればいいか
       分からない。
 
 ⑤問題:「何がよくでき、何を改善する必要があるのか」を上司から部下に
     フィードバックできていない。
  原因:人事評価の目的を上司が正しく理解できていない。
 
 ⑥問題:上司が一方的に評価結果に関する説明を行うだけで、部下の意見
     を聞かない。
  原因:人事評価を煩わしい業務だと上司が捉えている。
 
◆対策案と事例
 ①対策:評価基準への認識を統一させる。
  事例:ワークショップを開き、それぞれの評価項目に対して自己評価と
     その根拠を発表してもらい、認識がずれている場合はその場で
     フィードバックを行う。
 
 ②対策:評価者の意識改革を行う。
  事例:説明会や研修を開き、評価制度の目的や評価時の注意点を理解させる。
     また、“部下を適切に評価する”という内容を上司の評価項目に入れる。
 
 ③対策:評価基準への認識を統一させる、評価基準のハードルを高くする。
  事例:①の事例+会社全体として評価の高い項目をリストアップし、
    (例えば5段階評価でほとんどの人が4以上をつけている項目)
     評価基準を再設計する。
 
 ④対策:評価基準を明確にする。(*①~③への対策としても有効)
  事例:各評価項目に対して、5つの明確な基準(定義)を設ける。
  参考リンク:http://www.aimnext.com.vn/ja-JP/services-jp/consulting-jp/performance-appraisal-system-jp
 
 ⑤対策:人事評価の目的を理解させる。
  事例:②の事例と同様。
 
 ⑥対策:評価面談の進め方を教育する。
  事例:②の事例+実際の評価面談に同席し、面談の内容と進め方に問題
     がある場合は、その場でフィードバックを行う。

                                以上

第6回の『評価制度を知る③:運用者を教育する~適切な運用を目指して』は
いかがでしたでしょうか。ご意見・ご感想等ございましたら、弊社まで
お寄せいただけますと幸いでございます。

尚、次回の配信は2020年6月中を予定しております。
末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。