【連載コラム】第3回:各階層の期待・役割責任・仕事内容の明確化

この度、弊社AIMNEXT VIETNAMは貴社のベトナム人の人材活用に役立つ ことを期待し、

【ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用】をテーマに 記事をシリーズ化しました。

今回は第3回目の記事を送付させていただきます。 毎月1度、記事を送付する予定と

なっておりますので、 次回以降もお読みいただけますと誠に幸いでございます。 

 

                  記

 

第3回:各階層の期待・役割責任・仕事内容の明確化

 

「あなたの役割責任は何ですか?」と質問を受けたときに、皆さんの会社で

働かれている全社員の何割合ぐらいの方が、正確に答えられるでしょうか。

 

仮に役割責任を正しく認識できていない場合、社員は会社の期待する方向から

逸れてしまいます。結果として、非効率な仕事を生み出したり、人材が思うように

育たなかったりなど、大きなムダが発生してしまいます。

 

そこで、今回の記事では期待・役割責任・仕事内容の明確化というテーマで、

その重要性をお伝えしていきたいと思います。

 

◆日本企業が役割責任を明確にできない背景

 元来、日本では終身雇用を前提とした人事制度を設けている企業が

 多くを占めていました。終身雇用の制度下において、生え抜きの育成

 ということは企業が発展するうえで重要な課題とされています。

 

 ですので、多くの日本企業では、新卒で入社して以降一流の管理者に

 育て上げるべく、様々な業務を経験させることで、幅広い知識・スキル・視野

 を獲得させてきました。

 

 そして、その結果として全体最適の視点で会社を動かせるようにしてきたわけです。

 つまりは、スペシャリストではなくゼネラリストを目指して育成をしてきたのです。

 ゼネラリストを目指すうえで、人事異動は避けては通れないものです。ということは、

 異動を容易にするため、あえて役割責任を明確にしてこなかったという背景が日本企業

 にはあります。


ベトナム人をうまく管理・育成するためには、役割責任の明確化が不可欠

 しかし、同じような制度をベトナム(というより海外全般)で展開しようと思っても、

 なかなかうまくいきません。その理由は、日本の人事制度は前述した通り、終身雇用

 を前提とした制度になっているため、グローバルの視点で見れば特殊なものだからです。

 

 一般的に、ベトナム人はゼネラリストではなくスペシャリストを目指したいと思っています。

 (*異動させると左遷されたと感じるケースが多い)つまり、ベトナム人は曖昧な役割責任

 ではなく、明確な役割責任を求めているということです。もし、役割責任が曖昧であると、

 ベトナム人は本来の力を発揮できません。

 

 こういったことにならないためにも、各階層・各部署の役割責任や仕事内容を明文化

 しなければなりません。また、評価面談やフィードバック面談のタイミングで、都度

 その社員に期待することを伝えてください。そうすれば、社員は会社の期待する方向

 へ舵を切り、ポテンシャルを発揮できるようになるはずです。

                                     以上

 

第3回の『ベトナムにおける人事評価制度の設計・運用』はいかがでした でしょうか。

ご意見・ご感想等ございましたら、弊社までお寄せいただけますと 幸いでございます。

尚、次回の配信は1月を予定しております。 末筆ながら、貴社のますますのご発展を心より

お祈り申し上げます。